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カネコケンタロウ
ヒーリングサロン メルキーズ主宰
東京在住の男性ヒーラー。幼少期から精神世界に関心を持ち、10代からエネルギーワークを実践。2014年からスピリチュアルヒーリングの研鑽を積み、2016年に独立してヒーリングサロン メルキーズを設立。癒しを求めるお客様にヒーリングのセッション・ワークショップをご提供している。近年では、トルコ人向けのワークショップを開催するなど、海外向けの活動も積極的に行う。

遺伝的レベル・歴史的レベルのワークで起きる4つのトラブル

このレクチャーでは、遺伝的レベルと歴史的レベルのワークで起きる4つのトラブルと、その解決策についてお話ししていきます。

ご存知のように、シータヒーリングでは、先祖に由来する思考を「遺伝的レベルの思考」、過去生や集合意識などに由来する思考を「歴史的レベルの思考」と呼んでいます。遺伝的レベルと歴史的レベルに対するワークには、いくつか起きがちなトラブルがあります。事前に知っておくことで、遺伝的レベルと歴史的レベルにうまくワークしやすくなります。

それでは早速、どのようなトラブルがあるのかを見ていきましょう。

目次

1. クライアントが妄想を語り出してしまう

トラブルの1番目は「クライアントが妄想を語り出してしまう」というケースです。

「ご先祖様がひどい虐待を受けていた気がします」「あの人とは過去生で結婚していたんです」など、先祖や過去生についてクライアントがあれこれ話している。しかし、創造主に確認したら「それは真実ではない」と言っている。クライアントが妄想を話しているだけだと分かってしまった。

経験が浅いプラクティショナーだと、こういう場面に遭遇するとフリーズしてしまうことがあります。さて、こんな時あなたならどうしますか?

もちろん、セッションの進め方は創造主に聞いて決めるのが大原則なので、こうしたケースにどう対応するかを頭で考えて決める必要はありません。「創造主に聞きます」が100点満点の回答です。ですが、ありえる選択肢を色々と想定しておくことで、実際にその選択肢を選んだ時にスムーズにセッションを進めることができます。「シミュレーションをしておきましょう」ということですね。

真っ先に思いつくのは、「それは事実ではないみたいです」とそのままストレートに伝えるという選択肢ですね。「事実ではない」と言われてすぐに「ああ、そうか」と納得するクライアントもいますが、イラッとして反論してくるクライアントもいます。ですので、伝え方には十分に配慮することが必要です。どのような伝え方をすべきなのか、創造主によく相談しましょう。

セッションの現場で意外と出てくるのは、わざとクライアントの妄想に乗っかるという選択肢です。事実ではないという指摘はせずに、あえてクライアントの妄想に乗っかって掘り下げを進めていくのですね。面白いことに、たとえ妄想だったとしても、その妄想を辿っていくと結果的に土台まで辿り着くことがあります。「それは妄想ですよ」と伝えることなしにセッションが終わってしまうこともあります。

「事実ではない」と何が何でも伝えなきゃいけないと四角四面に考えるのではなく、わざとクライアントの妄想に乗っかるという選択肢も含めて、創造主に何がベストかを尋ねてください。

2. クライアントが本当の問題から目を逸らしてしまう

トラブルの2番目は「クライアントが本当の問題から目を逸らしてしまう」というケースです。

まずはヴァイアナの言葉を引用しましょう。ヴァイアナは、書籍『応用シータヒーリング』で次のように書いています。

ヴァイアナ「何への働きかけをしたいですか?」

女性「私は、自分がヒーラーであることを恐れています。私は、それが過去生からのものではないかと思います」

このたぐいの発言は、性的虐待、または何らかの類の虐待の結果でもありうることを、あなたはわかっていなくてはなりません。今生でそれに対処したくないがために、その問題が過去生からのものであるふりをしようとします。それが過去生からのものであるという可能性はありますが、もし、このように発言するのであれば、おそらく、それは今生で生じているものでしょう。(p. 169)

ここで注目したいのは「今生でそれに対処したくないがために、その問題が過去生からのものであるふりをしようとします」というポイントです。今回の人生で起きた本当の問題から目を逸らすために、クライアントが先祖や過去生などを持ち出してしまうことがあります。要するに、目くらましですね。

気をつけなければならないのは、目くらましをしているのだとクライアント本人も気づいていないことがあるということです。本人も無意識のうちに、本当の問題とは違ったところを話してしまっていることがあります。ヴァイアナの事例でも、ヒーラーであることが怖い原因が過去生に由来しているのだとクライアントは本気で思い込んでいるかもしれません。

さらにややこしいのは、 先祖や過去生についての話が本当に正しいことすらあるということです。確かにそういう過去生はあったようだけど、でも本当の問題はそこじゃない。そのように創造主から示される。そんなケースすらあるんですね。

プラクティショナーとしては、何が本当の問題なのかをよくよく見極める必要があります。そのためには「クライアントが今話していることは本当の問題ではないかもしれない」という想定を常にしておくことが大切です。今クライアントが話している内容は本当の問題かもしれないし、本当の問題ではないかもしれない。その両方の可能性を頭に入れながらクライアントの話を聞いていくことが重要ですね。

3. クライアントが先祖や過去生などのせいにしてしまう

トラブルの3番目は「クライアントが先祖や過去生などのせいにしてしまう」ということです。

例えば、クライアントの先祖が貧困の誓いを立てていたことが分かった。そして、その貧困の誓いがまだ有効なままになっていて、クライアント本人の金銭事情に影響を与えていたことが分かった。ここでクライアントがこう思うかもしれません。「なんだ、自分がお金で苦しんでいるのはご先祖様のせいだったんだ。自分は何も悪くなかったんだ。自分は被害者だ」と。はたしてそれでいいのでしょうか?

大原則に返って考えてみましょう。

現実は自分が作っている、というのが基本でしたよね?これは先祖や過去生などについても当てはまります。つまり、どんな先祖がいる家系に生まれるのか、先祖からどんな思考を受け継いだのか、あるいは過去生の問題を未解決のまま現在まで引きずっていることも、すべて自分が選択しています。そこに決して偶然はありません。

ですから、クライアントが一方的に被害者ということはないのです。先ほどの例で言えば、貧困の誓いを立てた先祖がいる家系に生まれ、その影響を受けながら生きることを選択したのは、他でもなくクライアント自身です。

その点を抜きにしたワークをしてしまうと、クライアントの選択が結局は変わらないままになってしまうことがあります。これも先ほどの例で言えば、「貧困の誓いを立てた先祖がいる家系に生まれよう」と思った動機を解消せずに放置してしまうので、貧困を求める選択をそのまま続けてしまいかねないのです。

では、どうしたらいいのでしょうか?重要なのは、メリットや学びにしっかり注目することです。「仮に先祖や過去生などから大きく影響を受けているとして、その影響を受けることをクライアントが選択しているメリット・学びは何なのか?」を掘り下げていきます。つまり、話をクライアント本人に引き戻すのですね。

もちろん、創造主に聞いたら「思考を光に返すだけで十分」と言われるケースもありますし、実際に現場でどうすべきかはケースバイケースです。それは大原則。ですが、この「話をクライアント本人に引き戻す」ということが、遺伝的レベル・歴史的レベルのワークで最重要ポイントになることが多いです。ぜひ覚えておきたいポイントです。

4. クライアントがピンとこない

トラブルの4番目は「クライアントがピンとこない」というケースです。

「こんな過去生があるのが見えましたが、どう思いますか?」とクライアントに伝えたけれど、クライアントからは「よく分からないです」と生返事しか返ってこない。「過去生の傷を癒していいですか?」と許可をもらってコマンドをかけたけど、クライアントは相変わらずピンときていない。そんなワークをしてしまっていないでしょうか?

プラクティショナー側が忘れてしまっていることがあるのですが、クライアントは必ずしも霊視ができるわけではありません。先祖や過去生について話されたとしても、霊視ができないクライアントからすれば、一体どうコメントしていいか分からないことがあります。

クライアントに「よく分からない」と言われて、自分のリーディングが間違ったとすぐに考えてしまうプラクティショナーもいますが、別にリーディングは間違っていないかもしれません。むしろそれはデリバリーの問題、つまり伝え方の問題かもしれません。

あるいは、過去生の傷を癒すコマンドをかけたとしても、それがどう効いたのかをクライアントはすぐには感じられないかもしれません。クライアントに「コマンドしましたがどうですか?」と聞いても、「よく分かりません」としか返ってこなかった。コマンド自体はちゃんと効いているかもしれません。むしろ、問題は伝え方にあるのかもしれません。

では、どんな伝え方をするとクライアントに納得してもらいやすいでしょうか?

こういう時は、クライアントの現世での思考や感覚にフォーカスしてあげると、クライアントにとって分かりやすくなります。つまり、先祖や過去生の話を持ち出して終わりにするのではなく、それが現在のクライアントにどのように影響を与えているのか、そしてコマンドをかけることによって現在のクライアントにどのように変化が起きたのかにフォーカスしていくのです。

例えば、男性のことをとても恐れていた過去生がクライアントにあるのが見えたとします。この時、「男性のことをとても恐れていた過去生があったみたいですけど、どうですか?」とだけ聞いても、クライアントにはピンとこないかもしれません。そこから一歩踏み込んで、今世のクライアントにも男性に対する恐怖がないかどうか、男性を恐れる思考がないかどうかを聞き出していきます。こうすることで、「過去生のことはよく分からないけど、男性を恐れるこの思考は過去生に由来しているらしい」と思ってもらえるかもしれません。

そこまでした上で、さらに、過去生の傷を癒すコマンドなり思考パターンの置き換えなりをします。ここでも「過去生の傷を癒しましたが、どうですか?」と聞くだけで終わらせてしまうと、クライアントにはピンとこない可能性があります。なので、「先ほどチェックした男性を恐れる思考に何か変化はありましたか?」と聞くなどして、今世のクライアントの思考や感覚にどのような変化があったのかに目を向けさせます。こうすることで「過去生のことは自分では分からないけど、確かに今の自分には変化があった」と納得しやすくなります。

ポイントは「遺伝や過去生の話をするだけで終わりにしない」「今世のクライアントに結びつけてあげる」ということです。伝え方を意識することで、クライアントの納得度が変わります。

まとめ

このレクチャーでは、遺伝的レベルと歴史的レベルのワークで起きるトラブルを4つ解説してきました。

遺伝的レベルと歴史的レベルのワークは難しいといって避けがちな人もいますが、押さえるべきポイントが分かっていれば恐るるに足らずです。それに、遺伝や過去生といった、目に見えない領域まで働きかけができるのがシータヒーリングの良いところです。必要ならば臆さずにワークしていきましょう。

それではまた、次回のレクチャーでお会いしましょう。

この記事を書いた人

東京在住の男性ヒーラー。幼少期から精神世界に関心を持ち、10代からエネルギーワークを実践。2014年からスピリチュアルヒーリングの研鑽を積み、2016年に独立してヒーリングサロン メルキーズを設立。癒しを求めるお客様にヒーリングのセッション・ワークショップをご提供している。近年では、トルコ人向けのワークショップを開催するなど、海外向けの活動も積極的に行う。

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