推測を飛躍させないことの大切さ

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「犬が嫌い=猫が好き」?

いきなりですが、犬が嫌いだという人がいるとします。

この人が「私は犬が嫌いです」と発言したのを聞いて、「犬が嫌いということは、この人は猫が好きなのだろう」と推測するのは、果たして妥当でしょうか。

日常的な会話の文脈だと、おそらくこの推測は妥当ではないはずです(よね?)。

なぜなら、まだ「犬が嫌い」ということしか言っておらず、他の動物の好き嫌いには何も言っていないからです。

もしかしたら本当に猫が好きかもしれませんが、逆に猫も嫌いかもしれませんし、猫が好きでも嫌いでもないという可能性だってあります。

しかし、問題は「猫が好きなのだろう」という推測が当たっているかどうかではなく、「犬が嫌い」という発言からは「ならば猫が好きなのだろう」という推測が自動的には出てこないという点にあります。

仮に「猫が好きなのだろう」という推測が当たっているとしても、「確かに猫は好きだけど、まだ何も言っていないのに何故わかったの?」という反応が返ってくることがあり得ます。

ヒーリングセッションの現場では

このような飛躍した推測は、対話型のヒーリングセッションにしばしば入り込みます。

例えば……

  • クライアント:「お金のことで困っていまして」
    プラクティショナー:(この人はお金が足りなくて困っているのだろう)
    →本当は、お金がありすぎて困っている
  • クライアント:「彼との関係が辛いんです」
    プラクティショナー:(彼に冷たくされているらしい)
    →本当は、過剰なまでに愛を押しつけられることに困っている
  • クライアント:「同僚との関係もうまくいっていないですし、上司ともウマが合わないので、会社を辞めようと思います」
    プラクティショナー:「上司のどんなところが嫌いなんですか?
    →本当は、上司とは「ウマが合わない」だけで別に「嫌い」ではない(「上司のことが嫌いなのだろう」という推測がNG)

というように、プラクティショナーの側が、クライアントが言ってないはずのことを勝手に推測して話を進めてしまうことがあります。

しかも、こうした推測は、プラクティショナーが知らず知らずのうちに持ち込んでいることがあります。

クライアントが「いや、そうは言っていないです」と明確に言ってくれればいいですが、クライアントが「こう言われるってことは、自分が気づいていないだけでそういうことなのかも……?」と自分の側を疑い出してしまうと、見当違いの方向にセッションを進めてしまうことにもなりかねません。

(クライアントさんが「プラクティショナー>クライアント」という力関係を無意識的に持ち込んでしまい、プラクティショナーの言うことをすべて鵜呑みにしようとしてしまうケースが得てしてありますが、こういう時こそプラクティショナー側も接し方に慎重になりたいものです)

ですので、セッションを進めていく上では、「自分は今、飛躍した推測をしてしまっていないか?」ということに自覚的になっておくことが有効かと思います。

日頃から言葉に敏感になっておく

では、飛躍した推測をしないようにするにはどうしたらいいのか?

セッション時に「推測が飛躍している時にピンとこさせて」と創造主にコマンドしておく、という手もありですが、

日頃から言葉に敏感になっておく

というのが遠回りのようで近道なのでは、と思います。

……味気なくてすみません。

でも、本番の前の練習、試合の前の稽古みたいなもので、セッションの現場でいきなり推測の飛躍を見抜こうとするよりは、日頃からトレーニングしておくに越したことはないかと。

なるべく飛躍のない発言をするように気をつけたり、相手の発言が飛躍していないかどうかに注意して聞いたりと、取り組み方はたくさんあると思います。

ちなみに、推測が飛躍していることを見抜いたからといって逐一指摘するとおそらくウザがられますし、言われていないことを勝手に推測して動くことが「空気が読める」とプラスに評価される場面もありますので、TPOに合わせて振る舞いを調整することをおすすめします(←当たり前と言えば当たり前のことですが、TPOを無視しまくって大惨事になる人がごくごく稀にいるので……)

日頃から、どこまで言葉に対して敏感になれているか?

セッションを見直すのもそうですが、日常生活を見直してみるのもアリかと思います。

ご参考になりましたら幸いです。

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